当科の紹介

教授・診療科長
小岩 文彦

昭和大学藤が丘病院腎臓内科は昭和51年9月に故・越川昭三教授により創設されました。その後故・出浦照國教授、吉村吾志夫教授に引き継がれ、2016年6月より私が診療科長を拝命し現在に至っています。
2018年から内科研修制度が改訂され、入局後は専攻医として3年間腎臓内科専門研修や地域での研修、他科研修に従事します。当科では総合内科専門医、腎臓内科専門医、透析専門医の取得を前提として、多岐にわたる豊富な症例を経験することが可能です。

昭和大学藤が丘病院の内科は設立当初から「内科は一つ」の理念を掲げてまいりました。当院では診療体制をセンター化に変更し、2020年から内科系診療センターの内科として当科、血液内科、腫瘍内科、糖尿病・代謝内分泌内科、リウマチ・膠原病科の5つの診療科が合わさった内科として運営されています。当科の名称は、内科系診療センター内科(腎臓) です。しかし実際には内科の他に循環器、消化器、神経センターも含めたすべての内科診療科が参加して「一つの内科」医局を運営しており、当初からの理念は変更されず、当院内科の魅力の一つになっています。内科はもちろんですが、内科以外の診療科間の垣根が低いことから、他の診療科と連携した診療を実践しています。特に腎領域の疾患は複数の合併症、併存症を有することが多いことから、診療上のメリットが大きいだけではなく、幅広い診療能力の向上が得られ、他科を含めた医師間の教育を通じて優れた人材が育成できると考えています。そして横浜市北部の中核病院として地域の住民や医療機関から信頼され、地域の医療の向上に貢献できることが私たちの大きな使命と考えています。

医局員の教育では、一定期間院内の救急救命センターに出向して三次救急を含めた急性期医療を習得します。また昭和大学病院および関連施設、学外研修施設などへの出向、国内外の留学などを通じて、広範囲の視点で専門領域をしっかりと俯瞰できる医師を育成します。診療体制はチーム制で運営され、症例経験や手術などの手技を習得します。主な内容として腎生検、バスキュラーアクセス作製、シャントPTA、長期留置カテーテル挿入や腹膜透析カテーテルの留置などを習得します。また井上嘉彦准教授によるリウマチ・膠原病科と合同でカンファレンスを実施しているため、リウマチ・膠原病関連疾患の経験や関節エコー検査などの習得も可能です。
近年女性医師の入局も増えており、出産後復職して勤務できるような体制を個々のライフイベントに合わせて柔軟に勤務可能となるよう、相談しながら運用しています。

研究面では、開設以来のテーマである腎炎、腎不全領域の基礎あるいは臨床研究に取り組んでいます。当科には神奈川県で唯一の臨床遺伝専門医が存在しており(2023年現在)、遺伝性腎疾患の研究にも取り組んでいます。
医局員には早い段階から学会などで発表した症例を論文化するなど、積極的に取り組んでいただきます。とくに臨床研究については、医局員が自らテーマを決めて研究の企画から申請、実施、論文化まで取り組み、その過程で宇臨床研究のエキスパートの指導を受けられるような体制が構築されています。ライフイベントなどでも研究が中断されないような体制にも配慮しています。

当科の最大の財産はこれまで当医局から全国に輩出された多くの先輩方による臨床、研究、教育のあらゆる面に対する強力なサポートです。特に若手医局員に対する腎不全治療の育成や研究面の支援など、大変心強い支えをいただいて、医局運営の貢献につながっています。私たちを応援してくれる素晴らしい先輩方の期待に少しでも答えられるよう、医局員一同努力しております。これまでの伝統や心強い先輩方、何事にも前向きで行動力のある医局員の頼もしい仲間が常に支えており、一つ一つの目標を達成すべく、全力で取り組んでまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

当科の紹介
Introduction

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